この美術館では江戸時代に使われていた染付けのそば猪口を紹介します。
当初そば汁を入れるために作られたわけではなく、多くは向付として珍味や和え物などを盛り付けていたと思われます。その器がそば汁を入れるためにも使われるようになりました。そしてそば食が庶民にまで普及すると、この逆台形の器が大量に作られるようになりました。そのころは「猪口(ちょく)」と呼ばれていて、「そば猪口」といわれるようになったのは明治になってからのようです。
小さな器に描かれた文様の楽しさが際立っていて江戸時代の人々の感性を今日に伝えるものだからこそ、今でも多くの人に感動を与えています。器地の白と呉須の青がくりひろげる粋の世界をお楽しみください。
→ 美術館について
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11月7日に書籍が発売されました。
絵解き謎解き江戸のそば猪口 岸間健貪 著
江戸のそば猪口と向き合って三十年、魅せられた文様の世界。それは日本の古くからの美意識と江戸の粋がみごとな果を実らせたものだった。だが、今そこからはそば猪口のため息も聞こえてきた……
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